ソープ街にある喫茶店の正体!案内所と言えない秘密とは?

ソープ街にある喫茶店の正体!案内所と言えない秘密とは?

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私が若いころに、初めて吉原ソープ街を歩いた時のことです。

吉原にはとにかく「喫茶店」と書いてある店が多いのです。

何も知らない私は「吉原ってソープ店だけでなく、喫茶店も多い街なんだなぁ」と純粋に思ったものです。

近づいて喫茶店の外観をよくみて見ると、どこのお店にも「ワンドリンク500円」や、「18歳未満お断り」といった文字が書いてありました。

そして、喫茶店というにはどこのお店も少し異様な雰囲気を漂わせていました。

その後私は、吉原にある「喫茶店」は普通の喫茶店ではなかったことを知ります。

吉原にある「喫茶店」とは名ばかりで、実は「ソープ案内所」であります。「喫茶店」に入れば、ソープ店のお得な情報を仕入れることができ、遊べるお店を案内、手配してくれます。

今回は、吉原ソープの情報源となり得る、「喫茶店」について解説をしていきます。

ソープ街にある喫茶店とは?

ソープ街にある「喫茶店」という看板を掲げているお店は、端的に言えば、繁華街にて風俗店が立ち並ぶエリアによくある「無料案内所」であります。

風俗における「無料案内所」の役割は、立ち寄った客におススメの風俗店や風俗嬢を紹介することです。

時に「無料案内所」では、プレイ料金の割引をしてもらえることもあります。

案内所のスタッフは風俗店と直接コンタクトを取ることができるので、案内所に訪れた客はスムーズに風俗店に案内されます。

このような「風俗店の案内所」としての役割を担っているのが、ソープエリアで言う「喫茶店(もしくはカフェ店)」にあたるのです。

(とは言え、ソープ街に店舗があったとしても、ソープ案内所としての機能がなく、純粋に「喫茶店」や「カフェ」として営業しているお店も一部あります。)

喫茶店の利用方法

ソープ街の「喫茶店」に入れば、まずは飲み物を何にするか、喫茶店の店員から尋ねられるでしょう。

(喫茶店の店員と言えど、外見は普通のおじちゃんであることが一般的です。)

飲み物は喫茶店の「建前」を守るために「とりあえず」出されるだけなので、缶ジュースや缶コーヒーを出される時があります。

(ドリンク代を客からちゃんと徴収する喫茶店もあれば、ドリンク代が無料の喫茶店もあります。缶ジュースや缶コーヒーなどは無料になることが多々あるようです。)

その後、喫茶店店員が客に「好みの女の子」や「今回の予算」について尋ねてきます。

喫茶店店員が客の希望を聞き出した上で、客の希望に合ったソープ店に電話をしてくれます。

喫茶店から連絡を受けたソープ店のスタッフは、現時点で接客対応が可能であるソープ嬢の写真を急いで喫茶店に持ってきます。

客は、ソープ店のスタッフから(写真の)ソープ嬢の情報や割引情報(喫茶店を利用した際の特典割引である「喫茶割」が適用されることもある)を確認し、その日遊ぶ女の子を選びます。

遊ぶ女の子が決まったら、程なくしてソープ店から送迎車がやって来て、客は車に乗り込みお店に向かいます。

喫茶店が儲かる理由

ソープ街にて「ソープ店案内所」として機能する「喫茶店」は、どうやって利益を上げているのでしょうか?

もちろん、ソープ街の「喫茶店」は、飲食業としての喫茶店の立場で、飲み物や食べ物を客に提供して利益を得ているわけではありません。

ソープ街の「喫茶店」の利益は、客のソープ店を紹介する「マージン(仲介手数料)」によって、利益を得ます。

「喫茶店」は複数のソープ店と提携を結んでおり、お客1人をソープ店に紹介するごとに、ソープ店から約2,000円~10,000円のマージン(紹介料)が支払われます。

ソープ案内所の喫茶店が喫茶店と名乗る理由

吉原ソープ街の「喫茶店」が、繁華街の風俗街エリアに見られる「無料案内所」の役割を担っていることをご理解頂けたと思います。

しかしながら、ソープ街の「喫茶店」について、ここで一つ疑問が出てくることでしょう。

なぜ、ソープ街の「無料案内所」である「喫茶店」は、表向き「喫茶店」として存在しているのでしょうか?

昔の私のように、ソープランドについて全く詳しくない者は、ソープ街にある「喫茶店」を飲食店としての「喫茶店」として勘違いすることでしょう。

何の知識もないソープ初心者が、「喫茶店」という看板を掲げているお店がソープ店の案内をしてくれるなんて、思うはずがありません。

ならば、「喫茶店」ではなく「案内所」という看板を掲げた方が、ソープ客の集客に繋がるはずです。

でも、なぜかソープ街の「喫茶店」は「喫茶店」のままです。

ソープ案内所として機能する「喫茶店」がいまだに「喫茶店」である理由は、二つあります。

一つは、歴史的背景」によって、もう一つは「法律的背景」によってソープ案内所は「喫茶店」という看板を掲げることになったのです。

喫茶店の原点とは?

江戸時代には、みなさまもご存じの通り、「吉原遊郭」が栄えておりました。

そして、「吉原遊郭」の入口となる吉原大門の内と外に「引手茶屋」という飲食店があったのです。

「引手茶屋」は、客に対して酒やつまみが振舞われる飲食店でありましたが、同時に、客に妓楼(遊女を置いて客に性的サービスを提供する施設)と遊女を手配してくれる「遊郭案内所」の役割もありました。

つまり、江戸時代の吉原の「引手茶屋」こそ、現在の吉原ソープの「喫茶店」の原点であったわけです。

「引手茶屋」は客を吉原遊郭に「案内」してくれた!

「引手茶屋」では茶屋の女将が、飲食をしている客から女性の好みをヒアリングし、妓楼と遊女の予約までしてくれました。

「引手茶屋」の仕事は「案内」と「予約」だけではありません。

「引手茶屋」で働く若い店員が宴会に出て場を盛り上げたり、芸者を手配したり、料理を取り寄せたりもしました。

そして、客が遊郭にて床入りするまでをきっちり見届けて、客の希望があれば、翌朝に客を寝床まで起こしに来てくれました。

翌日の朝、客は遊郭を後にし、再度「引手茶屋」に戻って朝食を済ませると、最後にお会計となります。

当然、妓楼と遊女の案内・予約だけでなく、宴会から翌日の朝食まで客の面倒を見る「引手茶屋」に支払う料金は高くついたそうです。

しかしながら、男たちはあえて「引手茶屋」に仲介を頼んで吉原遊びをしたのです。

あえて「引手茶屋」を通して遊郭で遊ぶのには、二つ理由があります。

「引手茶屋」に仲介してもらって遊郭で遊ぶメリット

客はかなりの出費を強いられるにもかかわらず、「引手茶屋」をわざわざ通して遊郭で遊んだのには、二つのメリットがあったからです。

一つは、「引手茶屋」に間に入ってもらったほうが、客は遊郭にて「上客」として優遇されたからです。

「引手茶屋」を通して遊びに来た客には、上のクラスの人気花魁が相手となったのです。

そして関係者大勢を引き連れて盛大な宴会が開かれ、周りからの注目度が必然的に高まるがゆえに、注目を浴びることができる遊女も「引手茶屋」の客を好んだようです。

つまり、客が「引手茶屋」をわざわざ通して遊郭遊びをすることで、客はより一層楽しくておいしい思いをできたし、同時に、遊女はその派手さにより周りから注目の的になったわけで、客と遊女の両者にメリットがあったわけです。

もう一つは、「引手茶屋」が男性客の支払い料金を立て替えてくれたからです。

遊女との遊び代も、宴会での芸者の用意や料理などの様々な費用も、「引手茶屋」が全て立て替えてくれたのです。

しかしながら、多額のお金が必要となる「引手茶屋」を介した遊郭遊びは、ごく限られたお金持ちにしか許されないものでした。

そして、このような仲介役の「引手茶屋」こそが、吉原ソープにある「喫茶店」のルーツとなったことは間違いありません。

「引手茶屋」も「喫茶店」も飲食店という側面を持ちながら、妓楼・遊女の紹介、または、ソープ店・ソープ嬢の紹介を行っていることが共通しています。

喫茶店の名前にこだわる理由

さて、江戸時代に吉原遊郭の案内所として機能していた「引手茶屋」が、現代の吉原ソープの「喫茶店」のルーツであることを説明させて頂きました。

ここから、現代に時を戻して、お話を進めさせて頂きます。

吉原ソープエリアにある、ソープ案内所として機能している「喫茶店」には、「喫茶店」という名前を使わざるを得ない理由があります。

実は、ソープ街の「喫茶店」にはとある2つの「法律」が大きく関係しているのです。

吉原の「喫茶店」のほとんどは公安委員会に届け出ていない!

そもそもですが、「風俗案内」をする事業所は、各都府県の公安委員会に届け出を出すことが義務となっています。

そして、各自治体では「風俗案内所規制条例」という条例を定めており、性風俗店の案内所について細かく規定しています。

例えば、風俗案内所の届け出義務はもちろんのこと、風俗案内の営業時間、案内表示などについて条例で規制しています。

よって、風俗案内所が健全に営業するには、各自治体の条例に従う必要があります。

では、吉原のソープエリアの風俗案内所は「風俗案内所規制条例」にちゃんと従っているか、と言われると、そもそもですが、吉原エリアには「風俗案内所」がないではありませんか。あるのは「喫茶店」だけです。

逆に言えば、「風俗案内所規制条例」の網をかいくぐるために、「案内所」という言葉を使わずに「喫茶店」という言葉を使って営業している、とも言えます。

現に、吉原エリアにある「喫茶店」のほとんどは、実際に「ソープ店案内所」として機能しているにもかかわらず、公安委員会に「風俗案内所」としての届け出を出していないようです。

つまり、「うちはソープ店の案内所ではなく喫茶店なんだから、案内所として届け出る必要はないだろ」という理屈を無理やり通しているのです。

(補足)
ですが、やっぱり一見さん(初めて訪れた客)からすれば、吉原の「喫茶店」がソープ案内所として機能しているなんて思いもよらないでしょう。ですから、一見さんでソープ遊び目的で「喫茶店」に来る客は少ないわけです。それでは喫茶店側も新規客を集めることができず困ってしまう、ってことで、吉原の「喫茶店」は一時期「情報喫茶」と名乗って営業している時期がありました。「喫茶店」であっても、ソープ情報を仕入れることができると、客に暗に伝える目的で「情報」という言葉を付けたのでしょう。しかしながら、警察からの指導が入り、今では「情報」という名前が消え、「喫茶」という言葉だけが残ってしまったそうです。

そして、吉原の「喫茶店」が「喫茶店」という言葉にしがみつく理由は、もう一つの法律が強く影響しています。

その法律とは「売春防止法」です。

「喫茶店」という建前が「売春防止法」から関係者を守ってくれる!

吉原の「喫茶店」が「喫茶店」と名乗っているのは、先に説明した「風俗案内所規制条例」という条例の他に、「売春防止法」という法律が関与しているからでもあります。

「売春防止法」が影響する風俗業種は「ソープランド」のみです。というのも、「ソープランド」は本番行為を伴う風俗だからです。

(一方で、ヘルスやピンサロや性的マッサージなどの風俗業種は、本番行為を伴わない性的サービスを提供しているので、売春防止法に触れる行為はありません。)

『「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。』と「売春防止法」で定義されていますから、男性客が金銭を払ってソープ嬢と本番行為を行うソープランドは、営業内容が「売春」に当たらないように細心の注意を払う必要があります。

そして、男性客とソープ店の仲介役に当たる「喫茶店」においては、特に「売春防止法」の第六条が関係してくる可能性があります。

(売春防止法 第六条)
売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

「周旋」とは、売買や交渉などで、当事者間に立って仲を取り持つことです。

では、ソープランドにおける当事者間とは、つまりはサービスを提供する「ソープ店」とサービスを受ける「男性客」です。

そして、この当事者間の間に入っているのが、男性客にソープ店を紹介する役割を担う「喫茶店」であるわけです。

つまり、考え方によっては、売春の周旋をしている「喫茶店」は違法であると認識できるのであります。

ですが、「喫茶店」はあくまでも「喫茶店」であり、「案内所」の看板を出して営業しているわけではありません。

よって、「喫茶店」としての「建前」を守ることによって、次のシナリオが成立するのです。

「売春防止法」に触れないために「喫茶店」が描くシナリオ

「喫茶店」としての立場を(無理にでも)守れば、「売春防止法」を突き付けられた時でも、以下のような言い訳をする(シナリオを描く)ことができます。

① 吉原の「喫茶店」に「喫茶店」の客として客が来店する
② 「喫茶店」は当然客に「喫茶店」として飲み物を提供する
③ 客と喫茶店店員が、吉原のソープランドについて「個人的に」話を咲かせる
④ その「個人的な話」は、「あそこの店は最高だ」とか「こっちのお店はすごくいい!」とか、あくまでも喫茶店店員の主観や感想を述べるだけ
⑤ その喫茶店店員の話を聞いて、客は「そこのソープ店に行ってみたい!」と言う
⑥ すると喫茶店店員が、「そこのソープ店の人と知り合いだから連絡を取ってあげるよ」と言う
⑦ 最終的に、客は「喫茶店」で飲み物を飲んだのちに、ソープ店に行くことになる

つまり、上記の①~⑦のシナリオでは、下記の三点がポイントとなります。
・あくまでも客は飲み物を飲むために「喫茶店」に入っただけで、当初、ソープ店に行く目的はなかった
・あくまでも喫茶店の仕事は、客に「飲み物」を提供することである
・あくまでも、喫茶店店員と客は「個人的に」ソープ店の話をしていただけ
端的に言えば、「客」はソープ店を教えてもらうつもりで「喫茶店」に入ったわけではなく、「喫茶店」側も客にソープ店を仲介することを目的として営業してはいない、ということが重要なポイントとなるのです。

つまり、「ソープ店を客に案内する目的は全くなかったのだから、売春の周旋には当たらない」というシナリオを、「喫茶店」は絶対的に守りたいのであります。

もし、「喫茶店」が「案内所」という看板を掲げて営業していたら、上記のような言い訳は到底できません。

なぜならば、「案内所」という言葉には「ソープ店を案内する」という目的が含まれていると考えられると同時に、「案内所」はソープ店と客の仲介をすることを目的として営業している、と認識されるからです。

つまり、「案内所」という看板を掲げて客にソープ店を案内すれば、「売春防止法」に抵触する可能性がある、ってわけです。

そこで、吉原の「喫茶店」は先に紹介した言い訳ができるように、(たとえ客に誤解を与えるとしても)「喫茶店」という看板を守り続けているのです。

風俗業界の「建前」は法律からわが身を守るために大事!

ソープ店を案内する目的の「喫茶店」が「喫茶店」と名乗り続けるのは、
・吉原遊郭の「お茶屋」の名残り
・風俗案内所規制条例に対する対策
・売春防止法に対する対策
の3つの事柄が主な理由となります。

法律違反にならないように「建前」を重視するのは、なにもソープランド業界だけではありません。

例えば「パチンコ」は「景品交換」という建前を守ることで、賭博罪に当たらないように十分に注意してい営業を行っています。

ピンサロ店が必ず飲み物や食べ物を客に出すのは、「飲食店」という建前を守っているからです。

そして、ソープ街の「喫茶店」が客に分かりにくくとも「喫茶店」という看板を出して、飲み物を提供するのも、「喫茶店」という建前を守らなければいけないからです。

みなさんが本記事の説明に納得できるかどうかはさておき、本番行為を伴くソープランドでは、知恵を絞って「建前」を用意しなければやっていけない、ってことなんですね。

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