赤線・青線を経て大流行したトルコ風呂とは?
ソープの前身であるトルコ風呂。
赤線・青線など風俗にも歴史があります。
今回は赤線や青線、トルコ風呂の基礎知識や歴史について、現代の金額に換算した料金の説明も交えながら説明します。
まずは基礎知識!時代ごとに流行った風俗
戦前:遊郭やカフェー
戦前は各地に遊郭・貸座敷が存在し、自ら身体を売って稼いでいた私娼が多くいました。
飲食店・茶屋・旅館に見せかけてひそかに売春をさせる曖昧屋、前掛けなど和洋折衷の格好をした女給と自由恋愛ができるカフェーで活動する女性もいます。
カフェーでは1杯のコーヒーをともに飲み、さらに売春行為を行うこともありました。
戦後:赤線と青線
1946年から売春禁止法が施行される1958年までは、赤線や青線が全盛となります。
戦後の混乱期ということもあり仕事がなく、生きるために身体を売って働く女性も多くいました。
1950年に大阪のミナミで現在のピンサロの前身であるアルバイトサロンが誕生します。
1951年には蒸し風呂・キャバレー・麻雀クラブ・酒場などが入る銀座のレジャー施設に、トルコ風呂第一号店と呼ばれる東京温泉ができます。
1958年の売春禁止法施行後:トルコ風呂
売春禁止法が施行された1958年以降は、赤線で売春行為を行うのが難しくなったため、女性がトルコ風呂に流れてきました。
トルコ風呂で働く女性が増えたことによって、店舗数も増加します。
ピークとなる1980年前後には、42都道府県、1560店以上のトルコ風呂が存在していました。
戦後に流行った赤線/青線とは?
赤線
赤線とは特殊飲食店として売春行為が黙認されてきたエリアのことを指します。
警察が地図内の該当エリアに赤い線を引いたことから、赤線と呼ばれています。
吉原や玉ノ井のように、もともと遊郭があった場所が、戦後になって赤線となった街が多いです。
この頃の吉原は15~20分前後であれば3,000円前後、女性と泊まりで一緒にいる場合は10,000~30,000円前後だったようです。
青線
青線とは特殊飲食店の営業許可がなく、一般の飲食店で非合法で売春行為が行われたエリアのことです。
警察が地図内の該当エリアに青い線を引いたことから、青線と呼ばれています。
違法性が高いこともあり、女性を買うときの料金は赤線に比べて安く設定されていたようです。
赤線/青線以外の売春地域
赤線と青線ほど有名ではないものの、他にも売春地域は存在していました。
白線(ばいせん)は、飲食店の女性が個人的に営業するお店が集まるエリアで、赤線や青線に比べ素人色の強い女性が多いことが特徴です。
黒線はボッタクリをするなど、悪質なお店が点在する危険度の高いエリアでした。
トルコ風呂の変遷
初期はマッサージなどのサービスがメイン
トルコ風呂はもともと個室付特殊浴場という名称があり
・垢すりサービス
・スチームバスで汗を流した男性に対してマッサージ
といったサービスが主流でした。
男性客のひげを剃ったり、シャンプーで頭を洗ったりすることもあります。
在籍する女性はミストルコと呼ばれ、半袖の白衣に白いパンツという衣装。
この頃の入浴料は6,000円前後でした。
おスペなどサービスが過激化
1953年には手コキのような性的サービスを行う、おスペ(スペシャルサービスの略)が登場。
この頃は入浴料が3,000円前後、おスペが3,000~5,000円前後でした。
当初おスペのある店舗は限られました。
ただ1956年に本番プレイを行う店舗が登場。
1958年の売春禁止法の施行後はサービスの過激化の流れが加速します。
マットや椅子洗いが登場
東京オリンピックが開催された1964年には、世界中から訪れる人のため、風紀が乱れないようトルコ風呂の取り締まりを強化します。
ただ1963年にはエアマットが登場し、1969年には川崎で泡踊りが誕生。
この頃は現在のようにローションを使うのではなく、全身に石鹸の泡を付けた状態でサービスを行いました。
1970年にはイス洗いの原型となるサービスが登場。
1972年頃になると、おスペやマットなどのフルコースサービスが定着し、サービス料が10,000~15,000円前後となっています。
全国的にトルコ風呂の知名度は高く、一般的な新聞、電車内にも宣伝広告がありました。
トルコ風呂からソープランドへ
全国各地に広がったトルコ風呂ですが、1984年に名称がソープランドに変わります。
この年トルコ人留学生が名称変更を訴え、現都知事の小池百合子氏がそれを手助けしてメディアに取り上げられ、「東京都特殊浴場協会」は名称変更を決断。
トルコ風呂に変わる名称を一般公募し、約2400通の応募の中で採用されたのがソープランドです。
応募総数の第2位の名称がコルトですが、北海道の旭川や帯広ではコルトの名称がついたソープランドがありました。
最後に:トルコ風呂とソープランドの差
名称変更をされる1980年前後のトルコ風呂で行われたサービスは、現在のソープランドと大きな差はありません。
ただ、もともとマッサージを行っていたこともあり、性的サービスだけでなく、マッサージや垢すりサービスを行っていた店舗もありました。
現在もソープランドの中には、本番プレイやマットプレイだけでなく、メンズエステのようなマッサージを行うお店もあります。